月別アーカイブ: 2022年6月

30 June

お宮参りの服装とは お宮参りは服装に決まりがあるの? 赤ちゃんの「掛け着」や家族が着るものを解説

お宮参りの服装とは

生まれた赤ちゃんのために、大切に執り行いたい行事の一つとしてお宮参りがあります。
古くからの習わしであり、一生に一度の「初めてのお宮参り」のため、ぜひ参拝したいと考えているお母さんも少なくないでしょう。
しかしお宮参りはいつ行けばいいのか、赤ちゃんにはどのような服装をさせればいいのかわからないという方も多いはず。

そこでこの記事では、お宮参りに行く時期や赤ちゃんのお宮参りの服装について解説していきます。お父さんやお母さん、祖父母、兄弟の服装についても紹介していますのでぜひ参考にしてみてください。

お宮参りとは

 

お宮参りとは、土地の神様である産土神(うぶすながみ)に赤ちゃんが無事生まれたことへの感謝と、これから健やかに成長していけるよう祈りを込めて参拝する行事のことです。産まれて初めての参拝のため「初宮参り」と呼ばれることもあります。

男の子は生後31日目、女の子は32日目に参拝するところが多いようですが、地域によって異なるため神社や年配の方などに聞いてみるのもよいでしょう。ただ、生後1カ月あまりというタイミングは、赤ちゃんやお母さんの体の負担を考えると、慣例だからといって無理に参拝するのは現実的ではありません。

実際近年では、赤ちゃんやお母さんの体調を考慮して日程を決めることが多くなりました。また「大安」「先勝」などの六曜で縁起の良い日を選んだり、天候を見たり、一緒に参拝する方の予定にあわせたりと柔軟にお宮参りの日を決めるようになっています。

お宮参りは参拝するだけでも問題ありませんが、せっかくですのでお宮参りのご祈祷をお願いしましょう。

お宮参りの服装の基本

お宮参りの服装といえば、華やかな和装姿を想像する方も多いのではないでしょうか。お宮参りの服装は主役の赤ちゃんにあわせるのが基本です。赤ちゃんが伝統的な和装をするなら、ご家族は和装・洋装のどちらでもかまいません。しかし赤ちゃんがベビードレスなどの洋装で参拝する場合は、ご家族も洋装にしましょう。

というのも、和装は洋装より格が上だとされているため、主役である赤ちゃんより家族の方が格上にならないようにするためです。祖父母も一緒に参拝する場合は、赤ちゃんやお父さんお母さんがどのような服装で参拝するか事前に知らせておきましょう。

赤ちゃんの服装は気温や天候にあわせて選ぶことも大切です。熱中症や防寒対策も考えて、夏場であれば通気性の良い素材を、冬場であればおくるみやアフガンなどを用意しておきましょう。

移動距離が長い、階段をたくさん上らなければならないなど、状況によっては動きやすい服装がよい場合もあります。赤ちゃんを抱っこする方の負担も考え、利便性や安全性も重視して服装を選ぶようにしましょう。

赤ちゃんのお宮参りの服装

お宮参りの赤ちゃんの服装は正式には和装になります。しかし近年では洋装を取り入れた、略式のスタイルで参拝される方も多くなってきました。そこでここではお宮参りの正式な服装と略式な服装をそれぞれ紹介していきます。

正式な服装

赤ちゃんのお宮参りの服装は、以下の5点を身につけるのが正式なスタイルです。

・肌着
・白羽二重(しろはぶたえ)
・掛け着
・帽子
・よだれかけ

白羽二重とは白地の正絹平織の着物で、光沢があり美しく、古くから特別なときに身につける着物です。肌着の上にこの白羽二重を着せてから掛け着を着せます。

掛け着は「祝い着」や「祝着(のしめ)」、「産着」など、たくさんの呼び方がありますが、どれも赤ちゃんが初めて着るお祝いの着物という意味です。掛け着には華やかな模様があしらわれますが、どれも幸福や立身出世など赤ちゃんの幸せを願う意味が込められたものばかりです。

帽子にはフリルなどがあしらわれたフード状のものか、大黒帽といわれる大黒天様がかぶっているような頭巾状の帽子をかぶせます。よだれかけは華やかなフリルがあしらわれたもので、掛け着を着せるときには上から見えるように着付けます。

男の子の場合

男の子の掛け着には、紺や黒、深緑などがよく使われます。近年では明るい青や、白地、赤地などの掛け着もあるなど種類は豊富になってきました。

柄には、勇猛な虎や龍、鷹などがあしらわれたものや、兜や軍配といった戦や勝敗に関わる意味のあるもの、熨斗目模様、宝尽くしなどの縁起物がよく用いられます。虎の吠える姿は出世を意味し、空を舞う龍は出世や飛躍を意味します。鋭い爪で獲物を捕らえる鷹は、つかんだ幸せを離さない象徴として人気のある柄です。身を守る兜は、健康に育つよう願いが込められています。

軍配模様や熨斗目模様も伝統的な和柄としておすすめです。軍配はリーダーシップを意味します。熨斗目模様は、お祝い事の際に贈る、アワビを薄くのばして干したもので作る「熨斗」を束ねた柄です。熨斗は贈り物としては最高級のものとされていたことから、お祝いや幸せを願う意味が込められています。これは女の子の着物にもよく使われる柄です。

それぞれの柄に、小槌や巻物、松、兜などがたくさん描かれた宝尽くしという柄があわさっている、華やかな掛け着も多く見られます。

女の子の場合

女の子の掛け着は、赤やピンク地、白地のものが多く見られますが、こちらも近年では水色やグリーン、紫など色味のラインアップは豊富になっています。女の子の掛け着の柄は友禅模様が一般的です。友禅模様とは、友禅染に描かれるような、華やかで絵のように美しい柄のことをいいます。

艶やかに咲く牡丹や、花びら一つひとつまでもが美しい桜、コロンとした花の形がかわいらしさも引き出す梅など、花柄はよく選ばれる柄です。御所車や花車は、昔の高貴な人が乗った乗り物をモチーフとしており、美しく成長することや良縁に恵まれるよう願いが込められています。

きれいな音色で邪気を払うとされている鈴柄や、長い糸を使って作ることから良縁に恵まれるよう願いが込められた鞠柄なども古典柄として人気があります。飛躍を意味するうさぎや、健やかな成長を願う蝶柄なども女の子の掛け着に好まれる柄です。

略式な服装

現代では赤ちゃんの快適さや動きやすさを重視して、略式の服装が主流になってきています。既に述べたとおり本来は、掛け着の下に白羽二重を着せるものですが、これをベビードレスやカバーオールなどの洋装にするという着せ方です。

ベビードレスやカバーオールなら季節にあわせて快適なものを選べますし、赤ちゃんも普段身につけているものと似たタイプの方が安心して着てくれる可能性があります。お母さんとしても着せ慣れている形の方が扱いやすいでしょう。

ベビードレスやカバーオールはデザイン性にとんだものが多く販売されており、中にはまるでスーツや着物、ドレスのようなデザインが施されているものもあります。掛け着を着せずに洋装のみで参拝するなら、華やかさを添えてくれるお洒落なデザインを選んでみるのもおすすめです

家族のお宮参りの服装

家族のお宮参りの服装

家族のお宮参りの服装

 

ここからはお宮参りに行くときの、家族の服装について正式な服装と略式の服装に分けて解説していきます。お宮参りの当日は、選んだ服装に合う髪型を考えておく必要もありますし、カバン・靴などの小物も準備しておく必要があります。

正式な服装

正式な服装は和装になりますが、赤ちゃんを引き立てる淡い色合いや落ち着いた色味のものを選ぶのが基本です。

男性の場合

男性の場合、一つ紋か三つ紋がついた羽織袴、または着物に羽織をあわせた和装が正式なお宮参りの服装です。羽織袴といえば基本的に、縞の袴に黒無地羽二重の着物と羽織のことを指します。着物に羽織をあわせるだけの場合は、紺や灰色、焦げ茶といった落ち着いた色味のものを選びます。こちらも紋をつける場合は一つ紋か三つ紋にします。

女性の場合

習わしに従うと赤ちゃんを抱くのは父方の祖母の役割です。とても重要な役割を担うことからか、祖母の服装は黒留袖という、一番格式の高い着物を身につけるのが正式な服装となっています。しかし現代では黒留袖をお宮参りで着ることはほとんどなく、色留袖または訪問着が多く選ばれています。

お母さんも訪問着をはじめ、色無地や付下げなどを選んでも問題ありません。主役である赤ちゃんより華やかにならないよう、色選びは慎重に行いましょう。

略式な服装

正式な服装である着物は、伝統的でお宮参りに似合うものの、産後間もないお母さんが身につけるのは負担になりやすいといえます。そのため近年では略式のスタイルが主流になってきました。赤ちゃんには掛け着を着せて、一緒に参拝する家族は洋装というスタイルも多くなっています。

ただ、大切なお祝いの行事として参拝するわけですので、あまりカジュアル過ぎるものは控えましょう。

男性の場合

男性の略式な服装はスーツスタイルになります。セレモニースーツだけでなく一般的なスーツでも問題ありません。ただあまり着古したようなスーツはお祝いの行事ですので控えましょう。

白のシャツに、白やシルバーなどのネクタイをあわせると、お祝いの服装らしくなります。一般的な慶事の服装をイメージしてコーディネートすれば問題ありません。黒や紺、グレーなどシックな色のスーツがおすすめです。

女性の場合

女性の場合もセレモニースーツやワンピースなど、一般的な慶事の服装が略式のスタイルとして選ばれます。洋装ではスカートの方が正装とされていますが、現代ではパンツスタイルのスーツを好んで選ぶ方も増えています。お母さんにとっては動きやすさも服装を決めるポイントですから、体調や行く神社の環境にあわせて選ぶようにしましょう。ベージュやグレー、淡いピンクなど、優しい色合いのものを選ぶのがおすすめです。

お兄ちゃんお姉ちゃんがいる場合

お兄ちゃんお姉ちゃんがいる場合

お兄ちゃんお姉ちゃんがいる場合

お兄ちゃんお姉ちゃんがいる場合は、普段の格好よりも少しよそ行きの服装を用意することをおすすめします。せっかくのお祝いですし、ご祈祷も受ける場合は特にきれいに整えた服装でのぞみたいものです。兄弟姉妹で統一感が出るように、赤ちゃんの掛け着に使われている色味のものを選ぶのも素敵ですよ。また、赤ちゃんのカバーオールにスーツやワンピースっぽいデザインのものを選んで、お兄ちゃんお姉ちゃんとおそろいコーデにするのもおすすめです。

男の子の場合

男の子ならスーツスタイルが王道です。ネクタイをつけ、ジャケットを着たスーツ姿は、お兄ちゃんになったことを自覚できるような大人っぽさがあって、お子さまにも喜ばれます。蝶ネクタイをあわせて、ちょっと気取った印象のコーディネートにしてあげるのもおすすめですよ。夏場ならシャツとズボンのスタイルに、肌寒い時期はベストをあわせでもかっこよく決まります。大人が正式な服装である和装でまとめるなら、あわせて和装を用意してあげるのもよいでしょう。小さなお兄ちゃんの羽織袴姿はかわいらしく、記念になります。

女の子の場合

女の子はきれいめのワンピースやセレモニー風のドレスもおすすめです。丸襟やレースの襟を首もとから出してワンピースとあわせたり、赤ちゃんの産着の色にあわせたセレモニードレスを選んだりしても素敵です。フリルやレースのあしらわれた靴下や、ベルトのついた靴などをコーディネートすればきれいめにまとまります。暑い季節にはノースリーブのワンピースを選びがちですが、参拝ではできるだけ露出は控えたいところ。子どもなのであまり気にすることはありませんが、できれば半袖のワンピースやドレスを選んだ方が、品の良い印象になります。
こちらもお父さんお母さんが和装でまとめるなら、一緒に和装をそろえてあげるのもおすすめです。

当日のスケジュール

お宮参りの日は、どのようにスケジュールが進んでいくのか、おおよその時間とともにご紹介します。服装を考えるときの参考にもなるため、当日のスケジュールやそれぞれの所要時間をイメージしておきましょう。

・参拝のみ:15~20分程度
・ご祈祷:20~30分程度
・写真撮影(家族でスナップや出張カメララマン):10分程度
(写真館での撮影):1~1時間30分程度
・食事会:2時間程度

ご祈祷は予約が必要な神社もあれば当日受付をするだけで良い神社もあります。予定の時間より少し早めに行くことや、待ち時間があることを考えると、神社に滞在する時間だけでも1時間は必要でしょう。写真を写真館で撮るとなると、移動も含めればそれだけで半日が終わります。

写真館での撮影、そして食事会とフルスケジュールでのぞむなら、午前中に参拝と写真撮影を済ませ、丁度お昼頃から食事会を始められるようにするとスムーズです。ただ、このパターンで考えると食事会が終わってうちに帰り、着替えが終わる頃には夕方を迎えそうです。当日の写真は神社でスナップのみにし、お昼前にお宮参り、そしてそのまま食事会と進めれば朝の準備はゆっくりできるでしょう。

これに移動の時間も加わるため、時間には余裕を持ってスケジューリングすることが大切です。お母さんにとっては慣れない上に、体調面の心配もあります。服装はスケジュールを考えて無理のないものを選びましょう。

家族と相談してお宮参りの服装を決めましょう

お宮参りの服装とは

お宮参りの服装とは

 

【まとめ】
お宮参りは赤ちゃんの健やかな成長を願う大切な慣例の一つです。正式な服装は和装ですが、現在では略式の洋装で参拝する人も多くなっています。この記事を参考に、お母さんの体調や当日のスケジュールなども考慮し、どのような服装にするか考えておきましょう。

お宮参りは大切なお祝いの行事です。どんな服装で参拝するか決めるときは、お父さんお母さん祖父母を交えて楽しみながら相談できるとよいですね。