赤ちゃんが生後100日を迎える頃に行うお食い初めは、古くから続けられてきた儀式の一つです。赤ちゃんへのさまざまな想いを込めて行うイベントですが、初めて迎えるママやパパは「どんな服装を選べば良いの?」と悩んでしまうこともあるでしょう。
この記事では、お食い初めにおすすめの赤ちゃんの服装や、ママ・パパの服装について紹介します。お食い初め当日、赤ちゃんに何を着せれば良いのか分からない人や、ママやパパは何を着れば良いの?と悩んでいる人はぜひ参考にしてみてください。
目次
お食い初めは何のためにやるの?
お食い初めは、赤ちゃんが生涯食べるものに困らず健やかに育つことを願って行う儀式です。生後100日を迎えた頃に、縁起物である鯛や紅白なます、蛤のお吸い物などを食べさせるまねをします。
地域によっては百日祝い(ももかいわい)や、箸祝い、歯固め、真魚始め(まなはじめ)などと呼ばれることもあり、用意する料理にも違いがあるようです。
赤ちゃんにとってはお宮参りに続く行事であるため、両親はもちろん祖父母を招待して行う人も少なくありません。家族で迎えるお食い初めは、かわいい洋服を着せて記念写真を残すのにもぴったりの行事です。
赤ちゃんのお食い初めはどこでやるの?
お食い初めを行う場所について、特に決まりはありません。自宅や実家のほか、ホテルや料亭などの飲食店で行うケースも近年増えています。
生後100日の赤ちゃんは、まだ3カ月を過ぎたばかりです。実際に食べる訳ではないものの、お食い初め御膳は赤ちゃんにとって初めての食事になります。
そのため自分達の手作りで用意したい場合や、気心の知れた場所で気楽に行いたい場合には自宅を会場にする人が多いようです。一方、盛大にお祝いをしたい場合や、自分達で料理や会場の準備をするのが大変な場合にはホテルや料亭などの飲食店で行うケースもあります。
お食い初めの服装を選ぶ時には、どこで行うのかに合わせて会場の雰囲気にマッチするコーディネートを選びましょう。
【男女共通】赤ちゃんのお食い初めにおすすめの服装
お食い初めの日程や会場が決まれば、当日の服装も選びやすくなるでしょう。
続いては、お食い初めの席で男の子・女の子両方の赤ちゃんにおすすめの服装について紹介します。
色つき小袖
お食い初めの正式な衣装は小袖とされています。小袖は伝統的な和服の一つで、袖口の開きが小さいことからその名がつけられています。
昔は産着と言えば白いものとされており、お食い初めの時に赤ちゃんは初めて色付の晴れ着を身に着けるという意味も持っていたそうです。こういった歴史から、お食い初めの小袖にはお色直し式という意味合いもあります。
お食い初めの際の小袖は母方の実家から贈られる習わしがあり、男の子はグレーや黒地、女の子は赤地にそれぞれ鶴や松、花柄や熨斗などの縁起物をあしらうのが一般的です。
しかし、お食い初め当日ずっと小袖を着ていると動きにくかったり、季節によっては暑かったりもするため、赤ちゃんも疲れてしまいます。写真撮影の時だけ小袖を羽織らせるなど、赤ちゃんの過ごしやすさを優先して短時間の着用に留めるのが良いでしょう。
甚平
夏場は着物などの衣装を着込むと暑くなり、赤ちゃんにとって負担になってしまうことがあります。そういったシーンにおすすめなのが甚平です。
和服の寝巻や部屋着である甚平ですが、風通しが良く動きやすいため赤ちゃんの夏服に大変適しています。また、手軽で快適に和の雰囲気を演出しやすいでしょう。
お食い初めが終わった後でも普段着として使うことができるので、一度着て終わりになりません。お食い初めのためだけに新しい衣装を買うのを躊躇っているという人には特におすすめです。
普段着
お食い初めは、絶対に正装をしなければいけないという訳ではありません。赤ちゃんの健やかな成長を願うことができれば本来の目的を果たしているので、普段着で行っても良いでしょう。
赤ちゃんにとっても普段から着慣れたベビー服の方がリラックスして過ごすことができます。「せっかく特別な日だし、少し位おめかししたいな」という場合は、おしゃれなスタイを付けてみてはいかがでしょうか。
蝶ネクタイをあしらったものや、和柄のものなどを選んであげると普段着でもセレモニー感を演出しやすくなります。
【男の子】赤ちゃんのお食い初めにおすすめの服装
男の子の赤ちゃんにお食い初め用の特別な服装を選ぶなら、カッコいいものを選んであげたい人も多いでしょう。
以下のような服装を選んであげると、男の子の赤ちゃんがより格好よく凛々しいコーディネートになります。
タキシード風ロンパース
タキシード風のロンパースは、お食い初めにキチンと感を出したい人におすすめです。正装風なものの、ロンパースなので赤ちゃんも動きやすく快適に過ごせます。
着物などは持ち運びの際に荷物になり大変ですが、タキシード風ロンパースなら飲食店でお食い初めをする際にも荷物にならず便利です。
もちろん、お食い初めの記念写真を取る際にも、写真映えしやすい服装といえるでしょう。お食い初めだけでなく、ハーフバースデーや結婚式やホームパーティなどにお呼ばれした時にも使い回すことができます。
少し大き目のサイズを購入しておくとさまざまなシーンに使い回し可能なので、ベビー用品店やリサイクルショップなどで購入を検討してみてはいかがでしょうか。
袴風ロンパース
料亭でお食い初めをする場合や、古くからの習わしとして和の雰囲気を重んじたい場合には、袴風ロンパースもおすすめです。タキシード風ロンパース同様、着脱も楽で動きやすいため赤ちゃんも快適に過ごしやすくなります。また、袴風ロンパースはお正月や初節句にも使い回せるのがポイントです。
秋から冬にかけての時期にお食い初めをするなら、今後使い回せることを見越して袴風ロンパースを検討してみても良いでしょう。
【女の子】赤ちゃんのお食い初めにおすすめの服装
女の子の赤ちゃんは、可愛らしくコーディネートしてあげたいと思う人が多いようです。お食い初めを華やかに彩るかわいい服装を選んであげると良いでしょう。
また、最近はDIYのように赤ちゃんグッズを手作りするご家族も増えています。袴の着物部分をイメージした袴風ロンパースを手作りしてお食い初めに特別感を演出する人もいるようです。ぜひSNSなどで手作り作品を見て、参考にしてみてください。
セレモニードレス
お食い初めを盛大に行いたい場合、洋装で豪華にしたいならセレモニードレスを選ぶのがおすすめです。華やかでボリューミーなセレモニードレスは、写真映えも抜群で素敵な記念写真を撮ることができます。
セレモニードレスは、お宮参りの時に着たものを使っても構いません。お食い初めで着た後はそうそう着る機会もないため、親族や知り合いのおさがりを使ったりリサイクルショップなどで購入したりするのもおすすめです。
もちろん、記念品として残しておきたいという人は新品を購入するのも良いでしょう。
着物風ロンパース
伝統を重んじて着物を選びたいものの、せっかくのお食い初めで赤ちゃんにストレスがかかり機嫌が悪くなるのは避けたいところです。着物を選びたいけれど、ハードルの高さに躊躇してしまうという場合は、着物風ロンパースを選んでみてはいかがでしょうか。
着せやすく動きやすいため、赤ちゃんも快適に過ごしやすいです。女の子の場合、着物だけでなく男の子同様、袴風ロンパースを選んでも問題ありません。
袴風ロンパースは、女の子らしいカラーや柄を選んであげるのがポイントです。
【ママ】赤ちゃんのお食い初めで着る親の衣装
赤ちゃんの服装も大切ですが、お食い初めでは家族写真などを撮ることも多いので、ご家族もTPOにマッチした服装を選ぶと良いでしょう。
ママの場合は以下のような服装を選ぶのがおすすめです。
着物
赤ちゃんが小袖や袴風ロンパース、着物風ロンパースを選ぶのであれば、ママも着物で揃えてみてはいかがでしょうか。
服装のテイストをリンクさせると、統一感が出て写真もよく映えます。特に格式高い料亭などでお食い初めをする際には、着物で行くとキチンと感を演出しやすいです。
着物を選ぶ時には準礼装である色留袖や格調高い訪問着、色無地などを選びます。華やかで上品にまとまる着物ですが、動きにくく赤ちゃんのお世話がしにくい点には注意しましょう。
事前にパパと打ち合わせをして、赤ちゃんのお世話をしてもらうように頼んでおくと安心です。
スーツ・ワンピース
「着物を着るのは大変だけど、お食い初めをきちんとした服装で行いたい」という場合は、スーツやワンピースがおすすめです。着物に比べれば準備も簡単で、動きやすいため赤ちゃんのお世話をするのも支障ないでしょう。
スーツやワンピースは、お宮参りに使ったものでも問題ありません。新しく用意する場合には、上品に見えるデザインを選んでみてください。上下が分かれているものを選ぶと授乳がしやすくなります。チョイスとしてはワンピースでも十分ですが、ベビー洋品店などで購入できる授乳ワンピースなどを選ぶと使い勝手が良いでしょう。
【パパ】赤ちゃんのお食い初めで着る親の衣装
赤ちゃんとママがきちんとした服装をしているなら、パパも統一感を持ってコーディネートを選びましょう。
お食い初めの時のパパの服装は以下のようなものがおすすめです。
スーツ
パパの服装はスーツを選ぶのが無難です。スーツなら、ホテルや料亭などどんなシーンにもマッチします。わざわざ新しいものを購入しなくても、今持っているもので十分でしょう。事前にクリーニングに出してしっかりとアイロンのかかった服にすると、清潔感があってきちんと見えます。
赤ちゃんの大切なお食い初めの記念を残したいなら、ネクタイやタイピンなどを新調して記念品にするのがおすすめです。ママや赤ちゃんの服装とリンクしているデザインを選ぶと、より思い入れの深い記念品になるでしょう。
格式の高いホテルや料亭など、会場の雰囲気によっては礼服を選ぶケースもあります。カジュアルな雰囲気ならビジネススーツやデザインスーツなど、スーツの種類は臨機応変に対応してみてください。
シャツ+スラックス
自宅や実家、馴染みの飲食店などでカジュアルなお食い初めをする場合は、シャツとスラックスなどのコーディネートもおすすめです。
かしこまりすぎず、清潔感が演出できる襟付きシャツを選ぶのもポイントです。パンツはブラックやネイビーなどのスラックスやチノパンを選ぶとシンプルながらスタイリッシュにまとまるでしょう。
手持ちの服から選んでも良いですし、お食い初めのために新しく購入しても良いです。新しく購入する場合は、今後も普段着として着られるようなものを選んでみてはいかがでしょうか。
赤ちゃんのお食い初めの服装を選ぶときの注意点
お食い初めの主役は赤ちゃんです。服装はとても大切ですが、一番は赤ちゃんやママとパパ、祖父母などの参加者全員が楽しいひと時を共有し、共に気持ち良く赤ちゃんの健やかな成長を願うことです。
ここでは、そのために気を付けるべき点を紹介します。
赤ちゃんの体調や機嫌を優先する
お食い初めの主役である赤ちゃんが、不機嫌になってしまったり泣いてしまったりするとせっかくの行事が残念なものになってしまいます。
お食い初めでは、できる限り赤ちゃんが快適に過ごせるよう服装選びをするのがポイントです。特に着物を着せたいと思っている人は、ぐずりにくい時間帯を選ぶなどの工夫も必要でしょう。
お食い初めは赤ちゃんのためのセレモニーです。赤ちゃんが笑顔で元気に参加できるよう、快適な服装や健康状態に配慮してあげてください。
家族で事前に打ち合わせをしておく
お食い初めの服装を選ぶ時に、特に気を付けたいのが参加者間での考え方の違いです。正式な行事としてセレモニー感を重視するのか、ラフな服装でアットホームにするのか等、お食い初めに対する認識によっても服装選びは変わります。
お食い初めを主催するママやパパは、祖父母など他の参加者を招く場合、ある程度セレモニーのテイストを伝えておくのがおすすめです。「○○ホテルで行うから、きちんとした服装をして欲しい」など、会場を伝えると服装を選ぶヒントにもなるでしょう。
くれぐれも、当日になってママやパパはラフなのに祖父母は正装をしている、なんてことのないよう注意してください。
100日アートも楽しんで!
お食い初めは生後100日頃を目安に行うイベントですが、最近は同じタイミングで100日アートを楽しむママやパパも増えています。
100日アートとは、「100」を連想させるアート写真を撮ることです。赤ちゃんを数字の「1」に見立ててオムツやバルーン、布などで「0」を描き、100に見える写真を撮ります。
可愛らしい我が子の姿を記念として残せる点でもおすすめです。
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【まとめ】
赤ちゃんが一生食べ物に困らず健やかに成長していくことを願うお食い初めでは、TPOに合わせた服装選びが欠かせません。会場に合わせつつ、赤ちゃんの服装に格式を合わせて選ぶと良いでしょう。
ただし、赤ちゃんが不快感などでぐずってしまうと元も子もありません。あくまでお食い初めは赤ちゃんのためのイベントだということを忘れないようにします。
これから輝かしい未来を歩む赤ちゃんの背中を後押しできるよう、ぜひご家族でお食い初めを行ってみてください。